帰国日の朝を迎えます。前日はラオス・ビエンチャンから大都会バンコクへ戻ってきてしまった事に加え、食事もパッとしなかった事もあり、やや低調気味でした。
今朝も、一旦はセブンイレブンの弁当で済ませます。流石はタイのコンビニ飯につき美味なるも、テンションは上がりません。
Apple iPhone 12 Pro (4.2mm, f/1.6, 1/50 sec, ISO400)
が、当然この様な低空飛行で旅を終えることは出来ません。最後の炎が燃え盛ることを期待し、ストリートへ繰り出します。事件は会議室で起こるのではなく、ストリートで起こるのです。
事件の展開次第では2度目の朝飯を食らう覚悟も出来ています。
SONY ILCE-7C (200mm, f/5.6, 1/250 sec, ISO1000)
バンコクの朝の本気にテンション爆上がり
朝のバンコクは活気に溢れていました。
昼間には見られなかった多数の屋台が出現し、よく分からない食材を調理するおじさんやおばさんが通りにひしめき、朝食を求める客が盛んに訪れます。
やはりここは紛うことなきアジアでした。筆者の節穴のような目は、この町の本気を何も見ていなかったのです。
冬眠寸前だった筆者の体温は一気に45度くらいまで急上昇します。
SONY ILCE-7C (77mm, f/5.6, 1/80 sec, ISO250)
SONY ILCE-7C (145mm, f/5.6, 1/160 sec, ISO160)
SONY ILCE-7C (101mm, f/4.5, 1/125 sec, ISO125)
SONY ILCE-7C (57mm, f/4, 1/400 sec, ISO800)
SONY ILCE-7C (28mm, f/2.8, 1/800 sec, ISO800)
トゥクトゥクのドライバー達も次々と屋台に立ち寄り食べ物を買い求め、ドライブスルーと化しています。
これぞ脳内イメージ通りのバンコクの朝の風景です。
SONY ILCE-7C (107mm, f/5.6, 1/125 sec, ISO160)
SONY ILCE-7C (111mm, f/4.5, 1/125 sec, ISO100)
SONY ILCE-7C (200mm, f/5.6, 1/250 sec, ISO100)
タイの麺の女神、降臨
もう、先程コンビニ飯を食べたことなぞ完全に忘却し、真っさらの心で朝飯を物色している自分がいます。メンズというより麺ズと呼ばれたい筆者の心に響くタイの麺屋台に出会う予感で心のグラスは溢れっ放しです。
そして・・・ついにタイの麺の女神が筆者に微笑みかける時がやって来ました・・・!
胃袋にビリビリっと電流を流してくれたのが、こちらの名店です。
SONY ILCE-7C (31mm, f/4.5, 1/50 sec, ISO100)
えっと・・・タイのお約束で店名は一切読めませんw
が、「鶏肉麺条」的な文字が燦然と輝いています。もう間違いありません。
いかにも手練と言った風情のおじさんが椀を片手に香り高いスープをグリグリしているではありませんか。そしてプラ椅子の客席のお客さんの手元では食欲をそそる素晴らしい湯気とともに麺が持ち上げられ・・・早くその横に並びたい!と言う衝動に駆られ・・・
SONY ILCE-7C (31mm, f/3.2, 1/1600 sec, ISO1000)
気付けば無意識に注文していました(繰り返しますが朝食済み)。
お値段は50バーツ(≒約200円)。ずっと物価高と円安に悩まされ、ビールすら1〜2本で自制してきたバンコクにおいて、恋い焦がれていたのはこのお値打ち感ですよ。
やがておじさんから手渡され、着丼。
ドーン!!
SONY ILCE-7C (31mm, f/3.2, 1/200 sec, ISO100)
得も言われぬ鶏出汁が効いた優しいスープと、ツルッとコシのある麺。これは中細米麺のセン・レックでしょうか。ベトナムで言えばフーティウとルーツを同じくする麺でしょう。
いやーーー、至高の眺めです。朝であることを忘れて危うくチャーンビアを飲みたくなってしまいます。
SONY ILCE-7C (28mm, f/6.3, 1/80 sec, ISO100)
さて、この喜びを独り占めする訳にはいかない・・・宿にいる家族にも味わってもらいたい・・・すぐに細君に電話をし、状況を伝えます。
えっと、しかしですね。家族には「ちょっと写真撮りにその辺ぶらぶらしてくる」と言って出てきただけなのに、何と2回目の朝食を食べてしまった夫であり父の奇行をどう説明すべきか・・・そして、仮にそのテンションの上昇を理解してもらったとして、更に筆者同様既にコンビニ飯を食べてしまった子供達や細君にも2度目の朝食を食べたいと思わせるのはとんでもない難題・・・。
と思いきや、意外とあっさり同意を得られました。筆者がどうしようもない麺人間である事が既にバレバレである事に加え、(日頃の洗脳 英才教育の賜物か)家族の皆も「美味い麺」については関心が高いため、存外に強い引きを示してくれました。つくづく良い家族に恵まれたものです。
と言うことで程なく合流した家族もご注文!
SONY ILCE-7C (50mm, f/3.5, 1/200 sec, ISO100)
みんな喜んであっさりと平らげてくれました!タイにもこんな美味しい麺があるということを子供達に伝えることが出来て、本当によかった。
SONY ILCE-7C (53mm, f/3.5, 1/100 sec, ISO100)
旅の最後にタイの麺の女神が素晴らしいプレゼントをしてくれました。もう何も思い残すことなくホーチミンへ帰国出来ます。
心も胃袋も満たされ、エアポートレイルリンクの駅に向かいます。バンコクの摩天楼を見納めます。
SONY ILCE-7C (200mm, f/5.6, 1/640 sec, ISO800)
SONY ILCE-7C (78mm, f/4.5, 1/4000 sec, ISO800)
SONY ILCE-7C (58mm, f/5.6, 1/500 sec, ISO100)
SONY ILCE-7C (32mm, f/5.6, 1/2500 sec, ISO800)
SONY ILCE-7C (65mm, f/8, 1/400 sec, ISO100)
SONY ILCE-7C (97mm, f/6.3, 1/500 sec, ISO100)
ただいま、サイゴン
スワンナプーム国際空港でボーディングゲートが開くのを待ちます。帰路のフライトはベトナム航空VN604便、14時20分スワンナプーム発、16時5分ホーチミン着です。
ホーチミンで暮らし始めて8ヶ月、ベトナム航空に幾度と無くお世話になるうちに、このターコイズカラーの機体を見ると何となく安心するようになりました・・・。
Apple iPhone 12 Pro (6mm, f/2, 1/350 sec, ISO25)
1週間ぶりのホーチミンは雨でした。バンコクとは四輪車と二輪車の比率が逆転する懐かしいカオスな風景にホッとする自分に気付き、もうすっかりこの街が第2のホームタウンになりつつある事を実感します。
SONY ILCE-7C (30mm, f/8, 1/40 sec, ISO6400)
自宅アパートに到着し、すぐ目の前のフォー屋で夕食を摂ります。ホッとする瞬間です。ここでもやはり、今やサイゴンの地がホームになりつつあるんだな、と改めて気付かされます。
ホーム贔屓ではないですが、麺の分野について言えば、質も種類もやはりタイよりベトナムの方が一段上だな、と感じます。タイの女神さん、申し訳ない(笑)
SONY ILCE-7C (31mm, f/3.2, 1/400 sec, ISO3200)
今回、家族でベトナムに越してから初めてのテト休暇、即ちベトナムで最も長い休暇を過ごす場所として、タイ・ラオスを選びました。
それは、家族の始まりの地に子供達を連れて行きたい、と言うのが1番の理由ですが、振り返ってみると、やはり今回の旅程が、自分にとっての旅の原点に近いスタイルである事もあったのではと思います。
バンコクを拠点として周辺の国を訪れ、再びバンコクに戻って旅を終える。そこに夜行列車まで加われば、言わば旅のフルパッケージ。1番長い休みだからこそ実現できる旅です。
そんな旅を中学生になった子供達と一緒に過ごす事が出来るなど、思えば途方もなく幸せな事です。
以上で、7日間、32回に渡る「夜行列車で行くタイ・ラオス子連れ6泊7日【家族のルーツを辿る旅】」の旅行記は完結です。自分の中で18年来の夢であったこの旅を終え、そしてその旅を綴り終える事は1つの節目と言えます。
しかし、家族でのベトナムでの暮らし及びサイゴンを起点とした旅はもう少し続きます。
また世界のどこかでお会いしましょう。
(2023年1月27日の記録)
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