家族が日本に本帰国して、ちょうど2週間が経ちました。
同時に、単身赴任の拠点となるホーチミン市3区での新生活も、2週間が経過しました。
単身生活に移行した直後の心境と、ホーチミン市3区の新居周辺の印象をお伝えしたいと思います。
家族の帰国直後はやや参りかけていた心境も少し落ち着き、そしてこの町をとても気に入りました。
SONY ILCE-7C (200mm, f/5.6, 1/320 sec, ISO100)
直感に響いた町 – 古き良きホーチミン市3区
新居探しでは、何日かかけていくつかのエリアと物件を回りましたが、3区の南西寄りにあるこのエリアを、ひと目で気に入りました。
第一印象でビビッときたのはストリートの雰囲気。ローカル感は強いのに過剰な煩雑さがなく、どことなくハノイの路地裏を思わせる静かな下町感が、とても気に入りました。
今日の新規市場開拓③🇻🇳は3区のもう少し南西エリア。
本命来たかも。周りの通り、少しハノイを思わせる静かなローカル感が最高。しかもかなり奇遇なタイミングでレアな部屋の出物があり家賃も予算内まで値引きしてくれた🔥
近くで食べたブンチャーカーも良かった🍜透明のは何だろう?クラゲ? pic.twitter.com/JJWFKBJxzJ— 10max🇻🇳 | 旅と車とベトナム (@10max) January 24, 2024
Apple iPhone 15 Pro (6.86mm, f/1.8, 1/450 sec, ISO64)
SONY ILCE-7C (102mm, f/5.6, 1/125 sec, ISO160)
SONY ILCE-7C (133mm, f/5.6, 1/160 sec, ISO160)
近所でよく散策するエリアに「Cư xá đô thành」と呼ばれる古くからの住宅地があり、その一角の雰囲気を特に気に入っています。
Cư xá đô thànhの中心には1946年に開校した歴史のある小・中学校があり、それもこのエリアの落ち着いた静けさに一役買っているように思います。
SONY ILCE-7C (151mm, f/5.6, 1/160 sec, ISO100)
SONY ILCE-7C (151mm, f/5.6, 1/200 sec, ISO100)
かつての「サイゴン」という町は、現在のホーチミン市の1区と3区辺りを指していました。様々な行政機関や各国領事館も3区に多く、地理的にも1区と並んでホーチミン市の中心に位置します。
その中で3区が特徴的なのは、1区が急速に商業化されていく傍らで、3区は未だにかつての面影を多く残しているが故に、古き良きサイゴンの風情を感じられるのかも知れません。
家族で過ごした7区の町が思いの外に住み易かったが故に、新たな町を気に入ることが出来るだろうか、という一抹の不安がありましたが、この町は見事にそれを払拭してくれました。嬉しいことに、ホーチミンにはまだまだ知らない場所が沢山あるようです。
Apple iPhone 15 Pro (6.86mm, f/1.8, 1/280 sec, ISO64)
SONY ILCE-7C (72mm, f/4, 1/80 sec, ISO125)
SONY ILCE-7C (115mm, f/5, 1/125 sec, ISO6400)
単身赴任生活と心の充足
2週間ほど住んでみて新たに発見したこの町のもう一つの魅力は、ローカル飯屋のレベルの高さでした。筆者はローカル飯を燃料とする生き物ですから、これは非常に重要なことです。
元々筆者の脳内マップにも、3区という場所は、周辺の5区やフーニャン区なども含めて、ローカル飯探索の拠点としても非常に魅力的な立地であるというマクロ的位置関係はインプットされていました。
しかし事はそれだけに留まらず、この町で何気なく入る飲食店がことごとく琴線に触れるものばかりで、筆者の新居宅周辺というミクロレベルでも、非常に魅力的な場所だったようなのです。
ということで、辺境の7区に住んでいたこれまで以上に、ローカル飯探索への気合いが爆上がりしつつあります。
ふらっと近所のCom Tam屋に・・・🐷
なにこれめっちゃ美味い・・・🔥
肉が柔らかくて味も良く、骨も無くて適当な大きさにカットされてて食べやすい✨なんかこっち来てから当たりばっかなんだけど、たまたまラッキーなのか、3区のこの辺のローカル飯のレベル全体が高いのか🤔 pic.twitter.com/cYp7VawzIG
— 10max🇻🇳 | 旅と車とベトナム (@10max) March 24, 2024
SONY ILCE-7C (87mm, f/5.6, 1/100 sec, ISO125)
SONY ILCE-7C (186mm, f/5.6, 1/200 sec, ISO160)
SONY ILCE-7C (107mm, f/5.6, 1/125 sec, ISO250)
ローカル飯探索に精を出す一方、いよいよ自炊を始めました。
記念すべき単身料理第一弾。
ベトナム史上最も手抜き料理「Ca Vien(魚ボール)を茹でて辣油醤油を付けて食べるだけのやつ」爆誕🔥ビールのつまみにめっちゃ美味い。辣油の代わりにサテトムを試そう。あと塩でも美味そう。 pic.twitter.com/2W9UOQBVqT
— 10max🇻🇳 | 旅と車とベトナム (@10max) March 20, 2024
「自炊」の定義とは、という話になると小一時間議論が必要ですが、とにかく自宅で1人で原材料を加工して作り出した料理です。
では「料理」の定義とは(以下略
練り物フェチの筆者としては、ベトナムはこの手の練り物系のバリエーションが非常に豊富なのも有り難いですし、ついでに言えば、様々な種類のベトナムハムの開拓にも勤しんでいます。日々スーパーで新たな食材に遭遇するのが最近の楽しみの1つとなっています。
練り物にしてもハムにしても、層の厚いビール愛好家によって成り立っている国家の底力を感じずには居られません。
Giò thủというベトナムソーセージを買ってみた。豚の耳や皮、キクラゲなんかが入っててコリコリした食感で、胡椒も効いてて、ビール好きの天才が作ったとしか思えない🍺✨ pic.twitter.com/gMOALm7U0l
— 10max🇻🇳 | 旅と車とベトナム (@10max) March 21, 2024
自宅近くに良い感じのカフェも見つかり、仕事の後や週末にブログを書いたりして充電するスペースが整いました。筆者の生活の重要な基盤です。
そういった感じで2週間、お気に入りの町で過ごしながら、少しずつ1人暮らしの楽しみも増えてきました。
SONY ILCE-7C (28mm, f/8, 1/30 sec, ISO5000)
新たな家族のかたち
思えば丁度2週間前の今日、家族を日本に送り出した直後は、正直かなり参っていました。今だから言ってしまうと、喩えようのない喪失感と言うべきか、虚無感と言うべきか、とにかく心の平衡を保つのが少々しんどい程でした。
〆の麺を食べ、本帰国する家族をタンソンニャット空港🇻🇳で送り出しました。
それでもなお、何だか信じられません😭何だろうこの感情は。失恋とかとも勿論違うし、またすぐ会えると分かってるのに、何かが抜け落ちてしまった感。あ、頭髪はありました。
帰ったら少しだけ、お酒飲んでもよかですかね🍶 pic.twitter.com/KbVIJHBYyd
— 10max🇻🇳 | 旅と車とベトナム (@10max) March 16, 2024
その「喩えようのない」感情は一体何だったんだろう。単純に家族と離れて暮らすことへの寂しさともまた違うのです。
少し時間が経った今なら何となく分かります。それは、「1つの素晴らしい時代が終わりを告げてしまった」事実を、頭では理解していても感情ではまだ受け入れられない、そんな葛藤だったのでしょう。
実は以前にも似た様な心境を経験していました。2年前、ベトナム赴任を控え、子供達とのキャンプやスキーなどのアウトドア活動を中心に据えていた生活が終わりを告げようとしている事に対して、言い様のない切なさを覚えたものです。
子供達との時間は常に1秒1秒が、二度と戻らないプライスレスな時間。
ホーチミンで家族で過ごした時間も、二度と再び訪れることのない宝物の様な日々。
そのホーチミンでの日々が余りに素晴らしい時間だったために、終わってしまったと言う事実を、頭では分かっていても、心では受け入れ難かったのでしょう。
SONY ILCE-7C (61mm, f/4, 1/80 sec, ISO2500)
しかし、それは2年前にも既に経験したことなので、克服の仕方もまた、学んでいました。自分や家族の新しい生活やあり方を作り上げていく事で、未来の方を向くことで、その穴を埋めて行くことが出来ます。
上で触れたように自分のホーチミン3区での新たな楽しみを見つけていくと言うことに加え、単身赴任ならではの家族のコミュニケーションの仕方が生まれ始めました。
面と向かって話せないが故に、子供達とはLINEでやり取りをする事が増えました。長男とは勉強のアドバイスや新たに日本の自宅で買うゲーミングPCの事など、次男とはドラゴンボールや漫画の話題など。細君とは元々日々LINEをしていましたが、テレビ電話をするようになりました。
そして先日、第1回家族会議を、Skypeで画面共有しながら行いました。
実は、家族が日本に帰ってからの家庭内のルールなどを決めずに後回しにしてしまっていたが故に、子供達との間で少し意識違いが生じてしまった事柄があり、一度きちんと話し合わなければ子供達も納得が行かないと思い、遠隔での家族会議を行ったのです。難しい年頃の思春期男子2人を細君がワンオペで回していくためにも、この辺りは大切です。
これらはいずれも、物理的に一緒に暮らしていた時には何となく曖昧にしても分かり合えていた事が、遠く離れる事で難しくなったが故に、新しく生まれてきつつある家族のあり方です。
これからも色々難しい事は出てくると思いますが、何だかこういうのも面白いんじゃないか、などと思いつつあります。
という事で(どういう事だ)、新しい生活も少しずつ軌道に乗ってきました。
家族とのあり方については、これからも少しずつ学び、軌道修正していくことだろうと思いますが、それ自体が新たな楽しみになっていくのかも知れないな、という気がしています。
さて、人生半ば、また1つ新しいステージ、まだまだ面白い事がありそうです。
SONY ILCE-7C (95mm, f/4.5, 1/160 sec, ISO100)
さらにその後の話↓
コメント