ハザン市から1時間ほどの山奥にある滝を目指す。
と言っても行き先は何となく意識合わせしただけなので、この時点では筆者はどこに向かっているのかはよく分かっていない。後部座席で運ちゃんのLittle Ant氏に運命を委ねるのみである。
全く予想外なことに、この滝見物がこのツーリング旅における最もハードコアな経験となった。
Apple iPhone 15 Pro (6.7649998656528mm, f/1.8, 1/1500 sec, ISO64)
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秘奥の滝「Khau Làn waterfall」
どこへ向かっているのかはよく分からないが、とにかくいい感じの農村風景が広がってきた。
水墨画のよう、と言えばベタであるが、ベタなだけにそう表現するのが最も分かりやすかろう。
Apple iPhone 15 Pro (6.7649998663709mm, f/1.8, 1/5000 sec, ISO80)
何か分からないが農作物が栽培されている。
牛もいる。野良牛だろうか。今のところハードコアとは程遠い長閑な風景である。
Apple iPhone 15 Pro (6.7649998663709mm, f/1.8, 1/2300 sec, ISO64)
しかしやがてバイクは険しい渓谷の細道に入って行く。アップダウンも激しく、振り落とされないよう後部のバーを握る手に力が入る。
Apple iPhone 15 Pro (6.7649998663709mm, f/1.8, 1/2100 sec, ISO80)
しかしこの山岳ツーリングがハードコアだったと言うわけではない。
少数民族の方がバイクに乗っていた。非常によい光景である。
Apple iPhone 15 Pro (6.7649998663709mm, f/1.8, 1/2200 sec, ISO64)
獣道プチトレッキングを経て滝へ
バイクを降りて滝へ向かうという。そうか、滝へ行くのか(今更)。
問題はこの後だ。
・・・ここ降りるの?まじで?先の方どうなってんの・・・
Apple iPhone 15 Pro (2.2200000286119mm, f/2.2, 1/1000 sec, ISO50)
上の写真だけ見るとさほど大したことは無さそうに見えるが、これが中々の急斜面で、しかもところどころヌルッヌルにぬかるんでいて、異常にワイルドなのである。
距離はさほどではないが、整備など全くされておらず、恐らく地元の山岳民族などが踏み固めた程度なため、下手なトレッキングよりもハードだ。間違えてもビーサンなどで臨んではならない(筆者はKEENのスポーツサンダル)。
「ワイルドだろぅ?」などと言っている余裕もなく、ひいこら言いながら下る事、15分ほどだろうか(ちょっとよく分からない)。ようやく滝が見えてくる。
Apple iPhone 15 Pro (2.2200000286119mm, f/2.2, 1/220 sec, ISO40)
まあ、滝だ。水は透明で清々しい。
Apple iPhone 15 Pro (6.7649998656528mm, f/1.8, 1/200 sec, ISO64)
Little Ant氏と、滝で出会った知り合いのガイド氏が互いに写真を撮り合っている。
Apple iPhone 15 Pro (2.2200000286119mm, f/2.2, 1/350 sec, ISO40)
大変微笑ましい風景だが、実はこの滝を見るスポットに辿り着くためには、最後の最後に高さ3mほどもあろうかという丸い巨岩の上にロープを使ってよじ登らねばならず、中々気軽に、という訳にはいかない。
息切れに吐き気に眩暈・・・何が起こった?
そして今回、最大のハードコアポイントは復路の登りだった。
獣道を登り始めて少しした辺りで息切れが酷くなってきた。休憩を繰り返しながら少しずつ歩を進めていくのだが、更に吐き気や眩暈まで襲ってきて、座り込んでしまった。世界がぐるぐる回り、生きた心地がしない。生まれて初めて経験する酷い症状だ。
正直なところ平均以上の体力はあるつもりで、ぬかるんだ急斜面とは言えそこまで距離が長い訳でもなく、何故このような症状に陥ったのか、何が起きているのか、ぐるぐる回る世界の中で全く理解が出来なかった。
この時は、高山病か?とも思ったのだが、後でGoogleマップを見てみたところ、この滝の辺りはせいぜい標高600~800m程度なので考えにくい。とすると、今思えばこれは脱水症状だったのかも知れない。
実を言うと、出発してすぐの給油時にペットボトルがバックパックから落ちてしまい、防水ビニールやロープを解いてパッキングし直すのが面倒だったので、バイクの足置きの横に挟んでおいたのが(一応マフラーには当たらない場所に)、走行中に落ちてしまったのだ。我ながら雑にもほどがある。
正直なところ、気候的に涼しいくらいだし、バイクに乗っているだけなのでそれほど水分を摂る事も無いだろうし、最悪落ちてもいいや、と高を括っていたのだ。
それが予想外にワイルド過ぎるトレッキングに放り込まれ、さらに走行中に風を受けていたので想像以上に水分を失ったのかも知れない。
Little Ant氏に杖で手を引いてもらいつつ、何とか休み休みバイクのところまで登り切り、(この時点ではむしろ高山病かと思っていたのだけど)取り合えず水を購入してがぶ飲みする頃には全快し、再びツーリングを続けるのであった。
Apple iPhone 15 Pro (6.7649998656528mm, f/1.8, 1/1800 sec, ISO80)
(で、このKhau Làn waterfallという滝。大変申し上げにくいのだが、大変な割に感想としては「まあ滝だよね」と言った塩梅なので、よほどの滝フェチ或いは時間に余裕があるという訳でなければ、そこまで頑張って行かなくてもいいかも知れない・・・というのは内緒である)
Khau Làn waterfallのアクセス
本記事のルート
本記事の範囲は、ハザン市を北上して1時間強、ハザンループの南西(左下)の50kmほどのルートです。
(2024年4月19日の記録)
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