今回のダージリン&シッキムの旅道中で走っていた車をいくつか激写した。日本やベトナムでは馴染みのない車種が多いのはもちろん、インドの中でも平地の都会というよりやや山岳部寄りの特色が見られて面白い。
なお、車種の特定においてはGemini先生に画像分析をお願いしている。
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(本旅行記は2025年1月30日の記録です)
インド、ダージリン&シッキムで見た車たち
まずは日本車から行ってみよう。
「軽じゃない」スズキ「ワゴンR」
インドで最も売れている車の一つ、言わずと知れたスズキのワゴンRである。
インド向けのワゴンRは日本用とは異なり軽規格ではなく、1L以上のエンジンを積み、車格もやや大きくBセグメントに相当する。
なお、近年のインド国内における販売台数では、ワゴンRは同じスズキの小型セダン「Dzire」と1位争いを繰り広げており、いずれにしてもメーカー別のシェアではスズキが40%以上を占め、2位以下のタタやヒョンデを大きく引き離して圧倒的首位である。
また、インドではBセグハッチバックのスイフトも大変人気である。ワゴンRがBセグとして売られているのであればバッティングしそうなものだが、ワゴンRは実用性最優先で家族やタクシー向け、スイフトは走りの良さを楽しむ都会の若者向け、という明確な差別化をしているそうだ。
そんなスズキ王国のインドならではの尊い遭遇もあった。当時日本未発表だった5ドアジムニーである。
これはバグドグラ空港からダージリンへの道中で偶然すれ違って撮影したものだが、日付は2025年1月26日。5ドアジムニーの日本での発表の噂がちょうど盛り上がっていた頃だった。そしてその4日後の1月30日に、実際に日本で5ドアジムニー(ジムニーシエラ)が正式発表されたのである。

ベトナムより格上?トヨタ「イノーバ・クリスタ」
お次はトヨタのこちら。こちら、見た目は筆者が住んでいるベトナムでもお馴染みのあの車にクリソツなのだが・・・
そう、アジア向けの3列シートミニバンの「イノーバ」にしか見えないのだが、グリルのところに「CRYSTA」と書いてある。
実はこの車、「イノーバ・クリスタ」という、イノーバの中でもインドやタイ向けのやや上位にあたるモデル名なのだが、ベトナムではこの名称では販売されておらず、パワートレインや装備も多少差別化されているようだ。
なお、ベトナムでは2025年に既にイノーバの販売を終了しており、 今は後継のクロスオーバー車「イノーバ・クロス」に世代交代しているが、一方インドでは「イノーバ・ハイクロス」という、やはりワンランク上の車種として展開されている。自動車業界ではインドはベトナムよりもマーケットとしてハイクロス・・・もといハイクラスと位置付けているのかも知れない。
お次はインド国産車編。山岳部らしく無骨系クロカンSUVを多数堪能できる。
無骨SUVインド代表「ボレロ」
こちらは現在インドで最も多く販売されている多人数乗車SUVの雄、ボレロ(Bolero)である。
ランドクルーザーのような強靭なラダーフレームに無骨なスクエアデザインで、岩石混じりのインド山岳路を爆走するに最も適している。トヨタ・イノーバのようなミニバン型の車では瞬時に爆砕してしまうだろう(言い過ぎ)。こうしたSUVは、大家族向けや乗合ジープなどの分野で大活躍している。
さて、この手の無骨SUV界隈において「現時点で」圧倒的に新車販売台数が多いのがボレロなのだが、これには注意すべき点がある。
乗合ジープの雄、タタ「SUMO GOLD」
実は乗合ジープで筆者が最も頻繁にお世話になったのは、ボレロではなくこちら。タタの「スモウ・ゴールド(SUMO GOLD)」である。上の話と矛盾するように感じるだろう。
恐らくだが、乗合ジープ界隈における現在現役の走行台数としては、実は圧倒的にボレロよりもSUMO GOLDの方が多いと推測される。
実はこのSUMO GOLD、過去にはボレロとの間で無骨SUVの二大巨頭として覇権争いをしていたのだが、排ガス規制の向かい風に遭い、SUMO GOLDの方は2019年に市場から撤退してしまったのだ。
しかし、引退する前のSUMO GOLDは強かった。ボレロよりも強力なディーゼルエンジンを積み、より大きな車体でより多くの人数を詰め込めたからだ(そしてそれらの強みのいずれもが、排ガス規制に対しては弱みとなってしまった)。
そのため「現在の新車販売台数では」ボレロがトップなのだが、2019年まではSUMO GOLDの方が圧倒的な人気を誇り、それが今も現役で走っているのである。
特に大人数を乗せられるという点(7人乗のボレロに対しSUMOは定員10名)は乗合ジープにとっては圧倒的な魅力であり、実際ガントクのジープスタンドでも、ほとんどが「SUMO GOLD」であった。
マヒンドラ「MAXX」
こちらはマヒンドラの、やはり無骨系多人数乗車SUV「マックス(Maxx)」。こちらは2010年まで生産されれいた10人乗りのものであるが、現行のMaxxは乗用部1列に荷台がついたピックアップトラックになり、主に商用で荷物を運ぶのに特化したモデルとなっているようだ。
いや、というかJeepじゃないだろお前・・・Mahindraって言っちゃってるし・・・
インド版ジープラングラー、マヒンドラ「タール」
こちらもマヒンドラの無骨系SUVだが、コンパクトな3ドアでボレロよりも洗練されたルックス・・・いや真面目に紹介してしまうところであったが、まあどう見てもジープ・ラングラーである。
ボレロが乗車人数を活かしてひたすら人や物を運ぶことに特化した実用性全振りモデルであるのに対し、タールは都会派の富裕層がアウトドアを趣味にするための相棒、というような位置づけであるらしい。それも含めて、まさに「インドのラングラー」である。
キャプチャーの弟分、ルノー「クウィッド」
ルノー・・・キャプチャー?
かと思いきや、これはキャプチャーより一回り小さい、「クウィッド」というAセグメントのSUVらしい。全幅1.6mのコンパクトなボディーに1L以下の3気筒エンジンを載せた、キャプチャーの弟分のような車だ。ダージリンの狭い山道をトコトコ走るにはちょうどいい具合かも知れない。
ポロのセダン版、フォルクスワーゲン「ヴェント」
こちら、正面から見ただけだと「お、ポロだ」と思ってしまう。実際ポロもインド市場では長い間販売されてきた。しかし、これはセダン版のヴェントである。
もちろん横から見ればセダンだと分かるのだが、なぜこの写真だけでGemini先生がヴェントだと判断出来たかと言うと、外見上の特徴に加え、なんと以下のような方法で判別したのだ!
このナンバーをインドの車両情報と照合すると、車種名が正式に「VOLKSWAGEN VENTO」として登録されていることが確認できます。(「WB 74」は西ベンガル州シルグリの登録機関を示しており、ダージリン周辺を走っていることとも完全に一致します)。
こんなことまで調べてくれるのね。おそれいりこだし。
ヒョンデ「ヴェニュー」
韓国車もいた。こちらはヒョンデのコンパクトクロスオーバーSUV「ヴェニュー」。
中々面白いインド山岳部の車事情である。
特に無骨クロカンSUV界隈が興味深い。2019年に引退した10人乗りのSUMO GOLDがいつまで乗合ジープ界で活躍するのか、そしてSUMO GOLDがいよいよインドの路上から姿を消した時、乗合ジープ界隈の景色はどうなっているのだろう。
引退と言えば、コルカタの象徴とも言えるインド版イエローキャブ「アンバサダー」引退の話とも重なってくる。

この後は引き続き旅行記に戻る。
つづく
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