午睡から目覚めるといい具合に日も傾き始めていた。これから、筆者が色々な旅先の中でも最も気に入っている場所の一つ、メコン川沿いの屋台へ相方を連れて繰り出そうという次第である。
お気に入りのメコン川沿いの屋台街へ繰り出す
3年前と何も変わっていない。3年前に訪れた際は9月の終わりだったが今回は7月半ばということで、河畔の風景にどのような違いがあるかと思ったが、水位は前回より若干低いくらい、あと大きな違いといえば、河原には前回は見られなかった大量の雑草が生えていることである。雑草とは雨期の後半よりも前半の方が多く生えているのであろうか。それとも草刈りをサボっているのか。
適当に席に着くと、お姉さんがメニューを持ってくる。英語は話せないようだ。とりあえずビアラーオを二本頼む。
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/60 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/50 sec, ISO0)
暮れなずむラオスの首都、タイの辺境
西の地平線には厚い雲が横たわっていて、日没の瞬間は見ることができなそうだが、大小の雲が刻々と違う色合いを見せ、飽きさせない。
メコンの対岸はタイなのだが、タイ方面の上空にある厚い入道雲が、時折激しい雷光を抱く。あの下はスコールに見舞われているに違いない。こちらへやってくる頃には水滴を全て搾り尽くしているだろう。
相方は、この河の対岸が先ほどまで滞在していた別国だということを、しきりに不思議がっている。さらに言えば、こちらは一国の首都ビエンチャン、一方で対岸はタイの中でも辺境中の辺境にある小さな集落。筆者にとってもピンとこない事実である。しかし国境たる大河を挟んでいても、言葉も文化も似たり寄ったりのタイ・ラーオ族同士。お互いに異国という強い区別意識は無いのかも知れない。いつか一度、この対岸のタイ側の土地を訪れてみたいものである。
そんな事を思いながら、相方とビアラオを傾けつつラオス家庭料理に舌鼓を打つ。至福の時間である。
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/125 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/8 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/8 sec, ISO0)
3年前の食堂のお姉さん
厚い雨雲の名残とともに、強く湿った風が河畔の屋台を襲い始めた。テーブル上の簡易キャンドルが次々と倒れていく。闇が濃くなる中、残りのビアラーオを空ける。
河畔の屋台を離れ、〆のセンミーナームを求めて市街へ戻ることに。普段東京で摂取している〆のラーメンは筆者の腹部脂肪にとって大層な影響を及ぼすが、あっさりしたセンミーナームなら大したことはあるまい(根拠はゼロ)。小田急線屈指の美食家たる筆者にとって、その辺りのカロリー計算は朝飯前である。
ふと思い出し、3年前に行きつけだった食堂を訪れる。当時ビエンチャン滞在中何度と無く訪れた、非常に美味なセンミーナームを出してくれるお姉さんがおり、彼女の調理姿の写真は筆者のお気に入りの一枚である。
行ってみると、なんとあのお姉さんが変わらずにセンミーナームをこさえているではないか!
当たり前といえば当たり前だが、筆者は激しい懐かしさを覚え、何か話しかけようかと思った。しかし先方に取ってみれば訳が分からないに違いない。相方にだけその驚きを告げて、極上の家庭料理に舌鼓を打つ。食器を運んでいる小さいのはお姉さんの子供たちか。
明日は「ラオスの桂林」と呼ばれる「バンビエン」という小さな町を目指す。
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/8 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/8 sec, ISO0)
[2005年7月18日]
コメント