ベトナム生活編

ベトナム駐在生活2年の経過観察 | 戦友を見送る側に爪先突っ込みつつ、深まる「旅の途中」感

こんにちは。つい先日ベトナム生活も丸2年が過ぎ、3年目に突入した10max(@10max)です。

2年という、節目のようなそうでもないような微妙な年月。そして帯同から単身赴任への移行という3ヶ月前の大イベント(↓記事)と比較すると、あからさまな感慨などは薄いのですが、それでもカフェーなどで心を落ち着けてみると、1年前からの変化も含めいくばくか気付いた事もあったので、書き殴っておきたいと思います。

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薄っすら見えてきた「戦友を見送る側」の景色

当然ながら常に、日本に帰国する人、新たにベトナムにやって来る人、という両者が身の回りを輪廻転生の如く循環していきます。最近では、無職だった人が突然中世ヨーロッパの異世界に転生するくらいですから、「転生したらベトナム在住になっていた」と言う人も居るかも知れません(もし居たらご連絡下さい)。

その中で、自分が「ベトナムに来てから1年くらい」だった時分には、まだ「新人」の様な感覚があり、人の入れ替わりの際にはどちらかというと、新たにベトナムに赴任してきた人に対して「これから一緒に頑張っていきましょうほぼ同期さん!」と言う感情が表面に立っていたような気がします。

ところが2年も居ると相当にお世話になった方々も増えてくるわけで、人事異動の折には、新規赴任される方を迎える感情もさることながら、お世話になった方に対して「●●さんもついに帰国されてしまうんですね・・・」という方に意識が向くような気がするのです。

2年くらい経ってようやく公私に渡り色々と勝手が分かってくる一方で、やはり2年という時間自体は決して短くはなく、ほんのりですが、「ブルータスよ、お前もか」と言った塩梅で先に帰国する戦友を見送る段階に、つま先をほんの少し踏み入れる、そんな時期なのかも知れません。

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なお深まる「旅の途中」感

上の様に少しずつ古参側へと足を踏み入れつつある一方、意外なことに「旅の途中」感は深まりつつあるように感じます。2年も経てば新たな発見も減って倦怠期に入るのでは、と思いきや、中々どうしてそんな事でもなさそうです。

飽きたらぬローカル飯と旅への探求

赴任して間もない頃、好んでプラスチック風呂椅子のローカルベトナム飯屋を訪れる筆者を見て、「まあ3ヶ月もしたら飽きるよ(笑)」などと言う駐在員の先達も居ましたが、いやいやどうして、ローカル飯への探究心は衰えることを知らず、むしろ中途半端な知識が増えてきたせいか、なおも興味は深まる一方です。

まだまだ知らない料理が出てくるわ出てくるわ、ベトナム料理の世界は、本当に海の如く広く、そして深い。先日などは今更ながら「フォー」の深みを再認識し、様々なタイプのフォー屋を訪問、知識と舌のアップデートを行いました。

【ジャンル別厳選ベスト5】ホーチミン市内のおすすめフォーレストラン
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ホーチミンにこんな場所が!圧倒的スケールの路上ビアホイ | Bia Hơi 7 Khô
こんにちは。結婚したら「ビアホイの後にお風呂にする?それともお風呂の後にビアホイにする?」と訊かれるのが夢だった10max(@10max)です。 それは嘘ですが、先日、とんでもないビアホイに出会いました。いや、もはやこれはビアホイの範疇に収...

また、家族の本帰国後、単身ハザン省へ旅した事などをきっかけに、ベトナムにいるうちに行かなければならない場所はまだまだ尽きない、と言う感覚は強まり、むしろ腰の落ち着きを失っています。

深まる「ホームは日本」感

上の話とは少し違う意味でも、「旅の途中」感を感じつつあります。それは、意外にもここへ来て「日本に対するホーム感」が増しつつあること。つまり、「自分には帰る場所がある」=「旅の途上にある」と言う感覚です。

今になって日本ホーム感が強まってきた理由は自分でもハッキリとは分からんのですが、一つには家族の本帰国があるんじゃあないか、と思っています。3月中旬に家族が帰国してから3ヶ月が経ち、生活インフラから学校生活まで、日本での生活もだいぶ整ってきました。

実はこの記事は、一時帰国中の日本のカフェーで筆を執っているのですが、そうして整った日本の生活を見るにつけ、「ここが自分のホームなんだ」感が増しているように思うのです。

 

そんな事を考えながら、ちょうど1年前に記した下記の記事を改めて今読んでみたのですが、実は意外にも上の話と呼応している部分が多い事に気付きました。

奇跡の国☆ベトナム駐在1年で思うこと -「海外赴任は長い海外旅行の様なもの」は実際どうなのか
こんにちは。1年前の6月12日にベトナム赴任生活を開始した10max(@10max)です。 ベトナム生活1周年を迎えるに当たり、思うところをビアサイゴンを燃料にしながら適当に綴ってみたいと思います。 なお、家族がベトナムにやって来たのは昨年...

例えばローカルベト飯の件。1年前にも、広く深いベトナム料理を以て、旅の感覚を保つことが出来ると言う話を書いていました。

ベトナムの場合、例え長く住んだとしても日々旅のごとくローカル飯を探索する心を忘れなければ、新鮮な発見を続けられます(中略)。逆に自ら積極的に探求して行かなければ、飽きてしまうパターンに陥るでしょう(それでいい、って人はそれもありでしょう。筆者のような風呂椅子屋台変態ばかりではありませんからね)。

この時の自説は、少なくとも1年後にはなお生きていたという事になります。水曜日のダウンタウンに投稿したいくらいです(色々あったけどあの番組ってまだあるんだっけ)。

 

もう1つ自分でも興味深かったのは、「ホーム」の件。1年前の記事では以下の様に書いていました。

「日々帰るところ(自宅)に帰る」というのは、旅の感覚とは大きく異なります。筆者は、旅を旅たらしめる感覚の1つ「旅愁」には、「家から遠く離れたところにいる」という事実、そしてさらに「帰るべき場所を恋しく思う」という心理が関係していると考えます。その意味で、駐在生活は「異邦にいる」ことには変わりないのですが、旅に比べれば旅愁を感じる事は少ないような気がします。

つまりこの時は家族帯同だった事から、今よりも「日々帰るべき自宅に帰る」感が強く、旅の感覚とは少し違う、と感じていたのでしょう。

ところがその後単身赴任に切り替わり、上の通り「帰るべきホーム」が日本に移動したため、ベトナムに残された自分の中では結果的に「旅の感覚」が増したのかも知れないな、と想像しています。

なお、「帰るべきホームは日本」と思うことと、「早く日本に帰りたい」という感覚は必ずしもイコールではない、という話もそれはそれであります。「祖国を想うこと」から導かれるのであろう「旅愁」という心理はむしろ好物です。それは筆者が旅クラスターに所属しているが故かも知れません。

 

そんな感じで(どんな感じだ)、変わりなく続いているように見えるベトナム生活にも色々変化なり濃淡があるものだな、と思いつつ振り返っています。

未だに異世界転生並みに想像を絶する魔境ベトナムと、益々ホーム感高まる日本との間を行き来しながら、今後どういう化学反応が起きていくのか、相変わらず楽しみです。

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