こんにちは。10max(@10max)です。8ヶ月前にクチトンネルに行ってきました(爆)
「8ヶ月前とかむしろよく思い出したな!」などと言うツッコミはビアサイゴンを飲みながらお願いしますw
昨年8月に家族がベトナムへ遊びに来た際に半日ツアーで行ったあと、ずっと下書きに入っていたのを最近思い出したのです。

我が家の中学生男子2名を連れて行きましたが、やはり興味津々だったようです。個人的には、トンネルの想像以上の狭さや、張り巡らされ方の想像以上の縦横無尽さ、想像以上の機能性や工夫に、終始脱帽でした。
ということで、「クチトンネルってこんなにすげぇんだぞ」っていう概要や、クチトンネル半日ツアーの模様をご紹介します。きっと脱帽しまくりなので帽子を10枚くらい被ってお読み頂ければと思います。
SONY ILCE-7C (58mm, f/4, 1/80 sec, ISO100)
ベトナムのジャブロー、クチトンネルの結構やばい概要
クチトンネル、なんとなく「ベトナム戦争時に使われたトンネル」くらいにしか思ってなかったのですが、改めて調べてみるとこのトンネル、結構やばいですね。
クチトンネルは現在のホーチミン市北西の郊外にある、第一次インドシナ戦争からベトナム戦争時代にかけて、ベトミンやベトコンによって掘られたトンネルで、フランス軍や南ベトナム軍との戦闘の拠点となった、ジャングルの地下基地です。
- ベトミン:ベトナム独立同盟会(Việt Minh / 越盟)。フランス植民地支配からの独立を目指した組織
- ベトコン:南ベトナム解放戦線(Việt Nam Cộng sản / 越南共産)アメリカの支援を受けた南ベトナム政府からのベトナム解放と統一を目指した北ベトナムの組織
ジャングルの地下基地、それはつまりベトナム版ジャブローですね。
まずやばいのが、全長。クチトンネルの全長は250kmと言われています。ガイドブックなんかではサラッと言ってくれちゃってますが、東京から愛知県くらいまでの距離ですからね。
高速道路で3時間近くかかる距離のトンネルが、ホーチミン郊外のジャングルの地下に縦横無尽に、しかも人力で掘られているのです。ハイ、脱帽。
しかも長いだけでなく、3層構造になっており、中には寝室やダイニングなどの居住スペースや食料保管庫、井戸などが設けられ、半ばここだけで生活できるようになっているというから驚きです。
トンネルから上方には出口だけでなく通気孔なども設けられ、また近くを流れるサイゴン川への出入り口まで設けられていたというのだから、まさに要塞。
シャア率いるマッドアングラー隊であれば、このサイゴン川の出入り口を探し当てて水陸両用モビルスーツで攻め込んだのでしょうが、士気の低い米兵や南ベトナム兵にはそこまでの猛者は居なかったのでしょう。
そして更に驚きなのが、クチトンネルが基地として使用された歴史の長さ。
クチトンネルはフランスからの独立戦争である第一次インドシナ戦争中の1950年頃から掘削・使用され始め、その後アメリカとの戦争であるベトナム戦争が終わる1975年頃まで、約25年もの間、ベトミン、ベトコンの地下要塞として使用されたと言われています。
25年ですよ、アニキ・・・!
クチトンネルでは実際にトンネルの中に入ることができますが、居住スペースなどがあると言え、めちゃくちゃ狭く、立って歩くことは出来ずずっとしゃがんで進む感じ。筆者などは数十メートルでギブアップしてしまいました。
ズゴックのような大型の水陸両用MSはもちろん、比較的小型なアッガイなどでも進むことは難しいでしょう。
そんな苛烈な環境で四半世紀もの間戦い続けたベトナム兵の根性に、脱帽し過ぎて脱毛してしまいそうです。
しかしこんなすごいトンネルを手掘りで作り上げられるベトナム人なのに、ホーチミンメトロとかを作るのはなんであんなに苦手なんですかね。

Apple iPhone 15 Pro (6.7649998663709mm, f/1.8, 1/9 sec, ISO3200)
クチトンネル半日ツアーに参加する
さて、御託を並べるのはこれくらいにして、クチトンネルへと出発です。
ツアーはあまり考えずにアパートの管理人さんにおすすめの旅行会社を教えてもらいました。ベンタイン市場の近くにある外国人旅行者向けの旅行会社の、1人26ドルの、英語ガイド付きの半日ツアーです。

ホーチミンでも屈指のズボラリストなのであまり比較検討しなかったのですが、今見てみたら普通に有名なOTAとあまり変わらないというか、むしろそっちの方が若干安かったかも・・・
いや見なかったことにしよう。過去より現在(いま)、現在より未来です。
Webフォームから申し込んで届いたメールにWhatsappが書いてあったので、早速チャットでピックアップ場所や時刻などについてやり取りします。
マイクロバスでクチトンネルへGO!
と言うことで当日の朝、旅行会社が指定してきた自宅近くのピックアップポイントへ向かいます。通常は1区のベンタインの方が集合・出発場所なのですが、要望に応じて途中で拾ってくれるアジアン・パクチー・スタイルです。
Apple iPhone 15 Pro (6.7649998663709mm, f/1.8, 1/120 sec, ISO50)
こんな感じのマイクロバス。参加者はやはり欧米系が多いです。
Apple iPhone 15 Pro (6.7649998663709mm, f/1.8, 1/150 sec, ISO64)
9時前頃に出発。
KIM TRAVELのガイドのおじさんが流暢な英語でクチトンネルのことを色々説明してくれます。説明に情熱が籠っています。クチトンネルを拠点として仏軍や米軍を翻弄した歴史に誇りを持っているのかも知れません。
1時間ほどで休憩が入ります。休憩という名の、土産物屋の斡旋です。ベトナム人曰く、こういうのがあるからツアー料金が安くなるのだそうです。
Apple iPhone 15 Pro (2.2200000286119mm, f/2.2, 1/2300 sec, ISO50)
伝統工芸を作る様子を見学でき、工芸品をお土産として購入することも出来ます。クチトンネルツアーではお約束のプログラムのようです。
中々綺麗で購入しても良いかと思ったのですが、思ったより高価で、思い出だけで満足することにしました・・・。
SONY ILCE-7C (72mm, f/4.5, 1/250 sec, ISO1600)
クチトンネルを体験し、色々思う
11時過ぎにクチトンネルに到着しました。途中の土産屋含めて出発から2時間ちょっと。
125,000ドン(700円弱)でチケットを購入します。
Apple iPhone 15 Pro (2.2200000286119mm, f/2.2, 1/100 sec, ISO50)
8月の真っ昼間のホーチミンは暑いですが、クチトンネル公園内はジャングルなので木陰が多く涼しいです。
SONY ILCE-7C (29mm, f/4.5, 1/1600 sec, ISO1600)
ガイドのおじさんの熱い説明が炸裂します。
この蟻塚のようなのが通気孔なんだとか。へえすげぇ。
SONY ILCE-7C (30mm, f/2.8, 1/125 sec, ISO100)
落とし穴。内部には鬼痛そうな針が・・・
SONY ILCE-7C (28mm, f/2.8, 1/30 sec, ISO200)
トンネルの中を覗くことが出来る穴。あとで本当にトンネルの中に入ります。しかしトンネルほっそ!子供でも匍匐前進じゃん。
SONY ILCE-7C (28mm, f/2.8, 1/125 sec, ISO100)
中に入って外に出てくる様子を動画に撮ってくれたりします。クチトンネルツアーのサイトでよく見るやつです。
SONY ILCE-7C (28mm, f/2.8, 1/50 sec, ISO100)
やたらリアルな人形とやたら痛そうなトラップ見本市
休憩しているベトコンの兵士たち・・・かと思ったら人形でした。矢鱈とリアルでびっくりする。
SONY ILCE-7C (28mm, f/2.8, 1/30 sec, ISO320)
ほんと無駄にリアルで笑えます。
SONY ILCE-7C (40mm, f/3.2, 1/40 sec, ISO640)
戦車。
SONY ILCE-7C (28mm, f/11, 1/30 sec, ISO1600)
お、何か書いてある。
SONY ILCE-7C (38mm, f/3.2, 1/40 sec, ISO400)
「AMERICAN TANK WAS DESTROYED BY A DELAY MINE IN 1970」
Delay Mineってのは地雷の一種でしょうか。誇らしげな一文です。
こちらはトラップ見本市。お兄さんが仕組みを説明してくれます↓
SONY ILCE-7C (45mm, f/4.5, 1/50 sec, ISO4000)
うへぇぇぇ〜〜痛そう。お兄さん落ちないようにな・・・
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うわあぁぁぁ・・・OMG!!って声が聞こえてきそうな壁画↓
SONY ILCE-7C (28mm, f/4.5, 1/30 sec, ISO2000)
「これをこうやってこうするとだな!」と熱く説明してくれるガイドさん↓
SONY ILCE-7C (47mm, f/4.5, 1/50 sec, ISO640)
お次は工房のようなところ。
SONY ILCE-7C (28mm, f/4.5, 1/30 sec, ISO800)
爆弾のようなものを作っています。
SONY ILCE-7C (28mm, f/4.5, 1/30 sec, ISO8000)
これはどういう感情?↓
SONY ILCE-7C (32mm, f/4.5, 1/40 sec, ISO6400)
SONY ILCE-7C (74mm, f/4.5, 1/25 sec, ISO12800)
ベトコンの人たちが履いていたサンダル。これは廃タイヤが材料で、足跡で追跡されないように前後が逆になっているらしい!
SONY ILCE-7C (28mm, f/4, 1/60 sec, ISO100)
こちらは厨房。腹が減っては戦は出来ぬ。
SONY ILCE-7C (30mm, f/2.8, 1/30 sec, ISO8000)
いよいよクチトンネルの中へ!狭い・・・!
さて、いよいよトンネルに入って行きます!ワクワク!
Apple iPhone 15 Pro (6.7649998663709mm, f/1.8, 1/120 sec, ISO200)
せ、狭い・・・ずっと低めの中腰・・・これはまじで辛い。
Apple iPhone 15 Pro (6.7649998663709mm, f/1.8, 1/9 sec, ISO3200)
出口は近め、中間、遠めと何箇所かあって、子供達は一番先まで行ってましたが、筆者は迷うことなく一番近いところで脱落しました。あっついし。。。
隣の集落との連絡などにもトンネルが使われたそうですが、これで隣村までとかちょっと考えたくないですね。
改めて、こんな不自由なトンネルを拠点に、第一次インドシナ戦争からベトナム戦争にかけて25年間も戦い続けるなんて、本当に脱毛し過ぎて現在スキンヘッドです。
ライフル射撃体験・・・想像以上の衝撃と音
クチトンネルの名物の一つが、本物のライフルの射撃体験。AK47という、ベトナム戦争で実際に使われていたライフル銃を、的に向かって撃つ体験が出来ます。
AK47の「AK」は「オート・カラシニコフ」。開発したロシア人「カラシニコフ氏」の自動小銃という意味から取ったもの。ベトナム戦争時の北ベトナム軍は当時のソ連から武器などの供与を受けています。
AK47は低コストで途上国などでも高性能な銃の使用を可能にしたという点で、功罪両面で語られることの多い銃だと言われていますね。
1回で10発撃てるのですが、的に当てるのは意外なほどに難しい、というのと、驚くのはその反動の衝撃と音。
SONY ILCE-7C (63mm, f/14, 1/80 sec, ISO160)
下の写真のようなヘッドフォンが貸し出されるのですが、これがないと長時間この場所に居るのはきついほどの射撃音です。
子供達も体験をしましたが、本物の武器というものの重々しさに、色々思うところがあったようです。リアルな銃というものがこれほどに衝撃を伴う恐ろしいものだ、というような感触を知るのは、普段フォートナイトなどでバーチャルかつカジュアルに武器の概念に触れている子供達にとっては、よい経験かも知れません。
10発600,000ドン(約3,300円)で、高1と中2(当時)の子供達の年齢は訊かれなかったので年齢制限は分かりませんが、個人的にお勧めできるのは実質中学生以上じゃないかなと。中々興味深い体験です。
キャッサバ芋を食べてツアーを終える
出口に向かう途中で、キャッサバ芋を食べさせてくれました。唐辛子と塩と砂糖を混ぜたような甘辛い調味料につけていただきます。ベトナム戦争中の貴重な栄養源の一つですが、これが中々美味しい。
SONY ILCE-7C (61mm, f/4, 1/200 sec, ISO100)
ということで、家族でベトナムに住んでいた時にはさほど魅力的にも思えず後回しになっていたクチトンネルですが(住んでると観光地に行かないあるある)、実際に行って、それを契機にいろいろ調べてみると、想像以上に興味深い歴史遺産だということが分かりました。
ベトナム戦争関連の書籍などを読んだ上で訪れると、さらに深みが増すかも知れません。時間があればぜひ訪れてみて下さい。

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