こんにちは。いつもベトナム時間の昼休みに会議を入れられるのが悩ましい10max(@10max)です。
そんな時に筆者が会議中にこっそり食べられる持ち帰りランチの調達でお世話になっているのが、職場から徒歩3分の老舗食堂・軽食店「Như Lan(ニューラン)」。
このニューラン、ホーチミン1区の観光エリアの真ん中で気軽にバインミーが買えるという事で有名ですが、ニューランはバインミーだけで満足していては完全に勿体無い名店です。
筆者に言わせれば、ニューランは「ベトナムローカルグルメの百貨店」!
ベトナムっ子御用達のテイクアウト軽食からちょっと通向けのローカル麺まで、わざわざ有名店に足を伸ばさずともここだけで手に入る魔法の様なお店であり、短時間で効率的にローカルフード巡りをしたい旅行者にも大いに助けになります。
ということで、本記事では日々お世話になっているからこそご紹介できる名店「Như Lan(ニューラン)」のディープな魅力を語ります。
なおホーチミン市のローカルグルメのまとめはこちらを御覧下さい。一覧マップもあります。
※本記事の情報は2023年3月現在のものです。価格は変動しがちなので目安程度とお考え下さい。また日本円換算はシンプルに「00」を取って2で割ってます。円安なので実勢は気持ち上乗せかと。
サイゴンを50年以上支える老舗食堂・軽食店「ニューラン」
「Như Lan(ニューラン)」はホーチミン市の観光・ビジネスの中心地で50年以上に渡って人々のお腹を満たしてきた老舗のベーカリー&惣菜店であり、大衆食堂です。
ガイドブックにも掲載されており、日本人の間ではバインミーの店として有名なようですが、上で触れたとおりバインミーは数多くの商品のうちの一つに過ぎません。
また、ガイドブックに載っているからと言って観光客向けと言うわけでもなく、地元のベトナム人達にも日常的に利用されています。
ベトナム人達の中ではバインミーの店と言うより様々な軽食や惣菜、食堂として幅広く愛されている感じ。昼時や夕方になると、バイクで乗り付けたベトナム人達が様々な食材や食べ物を(バイクに乗ったまま)買っていきます。何より英語が殆ど通じません(笑)
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ニューランの場所
ニューランはホーチミン市の観光とビジネスの中心である1区の、さらにど真ん中。サイゴン川から伸びる目抜通りであるグエンフエ通りとハムギー通りが交わる地点から、少しだけハムギー通りをベンタイン市場寄りに入った辺りです。
すぐ側には展望台で有名なサイゴンスカイデッキ(ビテクスコフィナンシャルタワー)があり、ドンコイ通りやベンタイン市場からもほど近い、まさに超一等地。
この場所で戦前からサイゴンの発展を文字通り目の当たりにしてきたと思うと、中々エモいものがあります。
また、本ブログでもご紹介したフォーの名店「Pho Thin by SOL」もすぐ近くにあります。
ニューランのメニュー – 多くのベトナムローカルフードが揃う
ニューランはテイクアウトのバインミーのイメージが強いかも知れませんが、バインミーやそれ以外のテイクアウト軽食メニューに加え、麺類やご飯類を注文して食べられる食堂も併設されています。もちろんそれらは皆、超が付くほどのベトナムローカルフードです。
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テイクアウト用メニュー – ベトナムっ子御用達の軽食達
まずはテイクアウト用の軽食メニューを見ていきましょう。昼休みに会議を入れられた際に筆者を救ってくれる救世主達です。なお、テイクアウト用のメニューを店内で食べることも可能です。
こちらはバインミー売り場。棚の上に白い紙で包まれています。その下のつくねのようなものやハムなども美味しそうです。
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こちらではベトナム風肉まんBanh BaoやおこわおにぎりXoi Cucなどが売られています。
棚の上に満月のように出ている茶色いボール状のものは店のおじさんの頭です。筆者はすっかり顔馴染みです。
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価格表も掲示されていて明瞭会計。上でも触れた通り英語は殆ど通じませんが、外国人だからといってぼったくり料金を取られることはありません。
ちなみにニューランの全体的な価格水準は、ローカル価格に一等地プレミアが多少上乗せされてるかな、くらいで、観光客向けという事はありません。
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まあ、表があったところで最初はどれが何だか分からんのですが(笑)
この後ご紹介するイチ推しの食べ物については名前と値段を掲載しておきますね。
ただし、ベトナムドンの値段の表現は独特で、ゼロが多すぎるために通常後ろのゼロを3つ省いて言うので注意が必要です(30,000ドンなら「30」と言う)。詳しくはこちらの記事をご参照下さい。
Bánh Mì(バンミー/バインミー)
まずは有名なバインミー。筆者が初めて食べた本場ホーチミンのバインミーもニューランのバインミーでした。ニューランはベーカリーとしての側面もあるので、パンのカリカリの焼き上がりには定評があります。
ちなみに日本では「バインミー」と表記されますが、それはハノイ地方の発音であり、ホーチミンなどの南部では「バンミー」に近い発音になります。お値段は30,000ドン(約150円)。
あまりいい写真が無くて恐縮ですが、もっちりとしたハムやピリッとマスタード、カリッとしたバゲットのハーモニーは素晴らしいです。
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少し応用編として、こんな白いバゲットのバインミーもあります。
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普通のバインミーは表面がパリッと焼き上げられたバゲットですが、こちらはモチっとしています。筆者は実はこっちの方が好きです。
ちょっと名前が分からないので気になる方はこの写真を見せて注文してみて下さい。
ベトナム風おこわおにぎり「Xôi cúc(Xôi khúc/ソイクック) 」
バインミー以外のベトナムっ子御用達テイクアウト飯の代表選手が、ベトナム風おこわおにぎり「Xôi cúc/Xôi khúc(ソイクック) 」。お値段15,000ドン(約80円)。
ベトナムでは最後の子音は発音しないので「ソイクッ」と言う方が伝わりやすいでしょう。
「Xoi」というのがまさに日本でもお馴染み、モチモチの「おこわ」に近いものです。もち米とハハコグサ(Rau Khúc)という草を使った、緑色に色づいたおにぎりです。
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中には挽き肉の具が入っており、塩味がよく効いていて非常に美味です。ほのかなバナナの葉の香りもよいアクセント。
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ベトナム風肉まん「Bánh bao(バインバオ)」
ソイクッと並んでお薦めの軽食が、ベトナム風肉まん「Bánh bao(バインバオ)」。見た目は日本でお馴染みの肉まんとあまり変わりませんが、パンの表面が日本の様にモッチリしておらず、ドライな感じです。
なお、バインバオには肉まん風の「Bánh bao thịt(肉)」と、甘い「Bánh bao ngọt」がありますが、下の写真は「Bánh bao thịt(肉)」です。お値段は25,000ドン(約130円)。
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中を割ると、ホックホクの湯気とともに挽き肉と、茹でたうずらの卵が出てきます。この挽き肉がジューシーで堪りません。
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タピオカ米粉饅頭「Bánh Giò(バィンヨー/バインゾー)」
そして面白美味しいのでぜひご賞味頂きたいのがこちらの「Bánh Giò(バィンヨー/バインゾー)」。日本人的にはちょっと風変わりですがベトナムでは超定番の軽食です。お値段は15,000ドン(約75円)。
一見バナナの葉で完全防備されており開けるまでどんな奴なのか分かりません。相手の戦闘力が分からない中で闘うのに似た緊張感が漂います。そういう時のためにスカウターが(以下自粛)。
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バナバの葉を御開帳すると半透明の白いスライムのような謎の物体が・・・依然として戦闘力が読めません・・・。
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Nhu Lanで付けてくれたスプーンでおそるおそる触れてみると、ものすごくプルンプルンしています!
これは米粉とタピオカで作られた生地で、中に挽き肉やうずらの卵の餡が入っているのです。
餡だけでなくプルプルの生地にも味が仕込んであって非常に美味しいので、ぜひ食べてみて下さい。
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鶏おこわ「Xôi gà(ソイガー) 」
Xôi gà(ソイガー)は鶏肉載せのおこわ飯です。おこわの「ソイ」に鶏肉フォー「フォー・ガー」の「ガー」ですね。
細切り鶏肉の「Xôi gà xé(ソイガー セー)」とローストチキンが乗った「Xôi gà quay(ソイガー クワイ)」がありますが、下の写真は「Xôi gà quay(ソイガー クワイ)」。お値段35,000ドン(約180円)。
おこわにもタレの味が染み込んでいて絶品です。鶏肉にちょっと骨があるので気を付けて下さい。
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他にもこんな風に練り物やらミートボールやらベトナムハムやら美味しそうなものが並んでいます。上のソイガーの写真にもつくねが写っていますが、こうした惣菜も追加で注文するとビニール袋に入れてくれるので、気になったら頼んでみましょう。
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椰子の実ジュースらしきものもありますね。
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バインミー用のバゲットも売ってます。ニューランがベーカリー店でもあることの証でしょうか。
いつかこのバゲットやハムを買って自宅でオリジナルバインミーを作るのも良いかもな。
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ワイルドな肉も売ってました。いつかこれを買って・・・
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このワイルドな肉は持ち帰りませんでしたが、上でご紹介したテイクアウト軽食達があまりに美味しいのでぜひ家族にも知ってもらいたいと思い、自宅に買って帰って皆で頂きました。どれも大好評であっという間に無くなりました!
やっぱりベトナム飯は日本人の口に合いますね♪
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食堂イートインメニュー – 通向けのベトナム飯まで網羅
次にニューランの食堂の模様やメニューを見ていきます。ニューランの中は実はめちゃくちゃ広いんです。
こちらは向かって左側の食堂スペース。
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下の写真は向かって右側の食堂。本当に大きい。
大量のご飯を炊いている横におかずが並べられている様子、そしていい匂いにヨダレが止まりません(安心して下さい、ちゃんと拭きましたよ!)。
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メニューを見てみましょう。
こちらは食事のメニュー。めちゃくちゃ沢山あります。
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「Cơm(ベトナム語で「米」)」で始まるのがご飯系ですね。ご飯に豚肉や目玉焼きなどを乗っけるベトナム庶民の定番プレート豚丼「Cơm sườn」があります。
そして麺類も実に豊富です。
- 北部の米麺「フォー(Phở)」や
- 南部の米麺「フーティウ(Hủ tiếu)」は勿論のこと、
- 北部発祥の蟹スープ麺「ブンジウクア(Bún riêu cua)」
- カンボジア由来のつけ麺「フーティウナンバン(Hủ tiếu nam vang)」
- 米生地で具を巻いた北部料理「バインクオン(Bánh Cuộn)」
などなど、ちょっと通向けのベトナムローカル料理も多数あります。
専門店に拘らなければ、通好みなものも含めた大抵のベトナム飯をここだけで制覇できるのもニューランの大きな魅力です。
下はドリンク&デザートメニュー。フルーツジュースやスムージーが豊富に揃っています。
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ベトナム風豚丼「Cơm sườn(コムスオン)」
ニューランの食堂の店頭でまず目に入るのがこちらの調理場。ベトナムの食堂の定番の光景ですね。炊きたての御飯とおかずの匂いにお腹はグーグー鳴り止まず騒音被害で訴えられそうなレベルです。
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流れでベトナム風豚丼「Cơm sườn(コムスオン)」を作ってもらいましょう。
ご飯の上に乗っけて欲しいおかずを指差すだけです。バックパッカーあるある的にテーブルで誰かが食べているのを指差すのもいいでしょう。
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もうこうなったら(どうなったんだ)スープも頼んじゃいましょう。
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そして出来上がった豚ドンがこちら!
ドーン!!
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これでたったの50,000ドーン!(約250円)
もう美味しくない訳がない絶景です。
蟹スープ麺「ブンジウクア(Bún riêu cua)」
次に麺類行ってみましょう。
せっかくなので少々通好みのベトナムローカル麺、蟹スープ麺「ブンジウクア(Bún riêu cua)」、60,000ドン(約300円)。蟹の出汁に、仄かに酸味を感じるさっぱりとした爽やかさが魅力です。
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カンボジア風米麺「フーティウナンバン(Hủ tiếu nam vang)」
お次にカンボジア由来と言われる米麺「フーティウナンバン(Hủ tiếu nam vang)」、60,000ドン(約300円)。
ラーメンの様に始めからスープに入っているタイプと、つけ麺や油そばの様にスープが別になっているタイプの2種類から選べます。下の写真はスープが別になっているタイプを頼んだもの。
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まずはこうして麺の丼だけでかき混ぜて底の方のタレをよく絡めて油そばのように頂きます。
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その後つけ麺の様にスープに麺をつけて食べたり、ドバっとスープを麺に掛けて食べたりと、やりたい放題にやってやります。
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まとめ:ニューランでベトナムローカルグルメ巡りをしよう
2018年に出張で訪れたホーチミンで、たまたまオフィスの近くにあって初めて本場のバインミーの味を教えてくれたニューラン。そして昨年そのオフィスで働くようになって以来、週に何度もお世話になっているニューラン。
出会いがそんな感じだったので、ガイドブックにも載っている有名店だなどとは夢にも思っていませんでした。
そして、そんな感じで様々なローカルフードを楽しんでいたので、バインミーで有名な店だとは思っていませんでした。
そんなちょっと風変わりな目線で、ホーチミンが誇る名店ニューランをご紹介してみました。
冒頭でも触れた通り、時間の無い中で効率的にローカルベトナムグルメ巡りをしたい旅行者にもぴったりなので、近くにお立ち寄りの際は、ぜひニューランで様々なベトナムローカル飯を楽しんでみて頂ければ幸いです。
・・・ってお前の店かよ!という突っ込みはニューランの店内でお願いします(笑)
以上、どこかのどなかたのお役に立てれば幸いです。
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