車窓の外が明るむ頃、夜の間も勤勉にマレー半島を南下して来た列車は名もなき駅に停車していました(いや名はあるでしょうね)。
SONY ILCE-7C (28mm, f/8, 1/1250 sec, ISO800)
※前の記事↓
※「夜行列車で行くBKK・ペナン島・クアラルンプール子連れ8日間旅行記」記事一覧
夜行列車の朝 – タイからマレーシアへ陸路国境を超えペナン島へ
名もなき駅ですが(名はあるやろ)、降りて行く乗客がいます。彼ら彼女らはどういう目的でこの夜行列車を利用しているのだろうか、里帰りなのだろうか、などと想像を働かせます。
SONY ILCE-7C (115mm, f/5, 1/200 sec, ISO8000)
列車の中は物憂げな朝の雰囲気。この人たちはこの後どこへどういう目的で向かうのだろう。
SONY ILCE-7C (91mm, f/4.5, 1/100 sec, ISO2500)
大きな駅に着きました。流石に名がありそうな立派な駅です。
SONY ILCE-7C (28mm, f/2.8, 1/80 sec, ISO100)
君の名は・・・?と思ったらかの有名なハジャイ(ハートヤイ?)駅でした。今はスマホの位置情報ですぐに自分の場所が分かるので便利と言うか拍子抜けと言うか・・・
ハジャイにはまだ学生だった25年ほど前に降り立ったことがあります。あの頃と比べると・・・全く記憶にございません。あの時はここからバスに乗ってソンクラーの海に行ったんだよな。
ソンクラーはよく覚えています。クラゲに刺されたのと、ローカル料理が辛すぎて死にそうになりましたが、ビーチで出会った女の子が可愛すぎて将来再会を誓いましたから(当該女子当時6歳くらい)。
さて、この駅で、筆者たちが目指す西側の国境パダンべサールに向かう45番列車と、スンガイコロクという東側の国境に向かう37番の列車に分離されます。
ホーム上の国境!パダンベサール駅でマレーシア入国
さて、いよいよ終点のパダンベサール駅に到着しました。マレー半島の西側にある、タイとマレーシアの国境の駅です。
この写真、なにやらとてもエモいです。だって奥さん、この柵の向こうは異国なんですぜ。信じられますかね?
SONY ILCE-7C (32mm, f/6.3, 1/40 sec, ISO200)
そして仲良く両国の国旗よ!!エモすぎるだろ!
SONY ILCE-7C (32mm, f/6.3, 1/40 sec, ISO200)
こういう国境もあるんだな~。「川を渡ったらラオス」的な国境はよくありますけど、ホームで繋がってるなんて何だか不思議な気分。
国境越えと空白地帯について
ちなみに上の写真で、手前の柵と奥の柵の間に数十メートルほどの間隔がありますが、この間の建物内にタイとマレーシアそれぞれのイミグレーションがあります。
じゃあこの間の空間はいったいどの国なの・・・?
ってなりますよね。
厳密には便宜上どこかに境界を設けているんだと想像されます。
なお、この数十メートルの空間(厳密にはタイのイミグレで出国後マレーのイミグレで入国前、またはその逆)でパスポート紛失なんてしようものならそれはもう大変らしいです。
何故ならその人はその瞬間どこの国の領土にも存在していない事になるので、在タイ大使館も在マレーシア大使館も管轄外となり、日本で人の助けを受けつつパスポート再発行するしかないとか何とか。
筆者には物を失くす事が特技の同僚がいまして、実は彼が香港で危うくそんな羽目に陥りそうになったので、家族にその時の教訓を語り継いだりしながらイミグレ手続きをします。
何にしても子供達と細君にとっては初めてのマレーシア入国ですが、いともあっけない国境越えでした。ノーンカーイからのラオス入国よりも更にあっけない。
いや、陸路国境越えはこのあっけなさが逆に醍醐味なのです。
「もうこれで違う国に入ったんだぞ!信じられないだろう!」
などと、何故か子供達にドヤ顔で言う父親が居たとか居なかったとか。
バタワース行き電車に乗り換え
さて、パダンベサールからペナン島の対岸、バタワースまでの列車のチケットを購入します。
チケット売り場に行くと、ここもタイ側とマレーシア側に分かれており、左がマレーシアの鉄道会社KTMのバタワース方面、右がここまで乗って来たタイ国鉄のチケットカウンターです。
Apple iPhone 15 Pro (2.22mm, f/2.2, 1/100 sec, ISO250)
子供達に
「マレー語で『チケットカウンター』はなんて言うと思う?」
などと意地悪クイズを出します。
「Ticket Counter」はマレー語で「Kaunter Tiket」。マレー語って結構こういうノリですよね。「だったら英語のままでよくね?」とか思ったり。
バタワースまでの運賃は11.4リンギット(300円強)。チケットにはQRコードが印刷されており、自動改札でこれを読み取ります。
SONY ILCE-7C (37mm, f/5.6, 1/40 sec, ISO125)
パダンベサール⇔バタワース間の時刻表。時間帯にもよりますが、1時間前後に1本の様です。
SONY ILCE-7C (32mm, f/6.3, 1/40 sec, ISO400)
チケットを買い、左の方の青い自動改札を通ります。
Apple iPhone 15 Pro (2.22mm, f/2.2, 1/90 sec, ISO320)
マレーシアではQRコード読み取り方式が比較的多いです。東京の通勤ラッシュでは改札が大行列になってしまいますが、これくらいのまったりした駅では低コストで良いのかも知れません。
ホームにバタワース行きの列車が入って来ました。こういう地方の路線でもちゃんと電化されている辺りがさすが中進国マレーシア。
SONY ILCE-7C (147mm, f/6.3, 1/160 sec, ISO200)
パダンベサールからバタワースまでは約2時間の旅。しばらくは長閑な南国の田園風景が車窓を過ぎていきます。正直結構暇です。
Apple iPhone 15 Pro (6.86mm, f/1.8, 1/7100 sec, ISO80)
よく見るとドアの窓の隙間に水が溜まっていました。こういう地味な発見をしてしまうほど暇です。
Apple iPhone 15 Pro (6.86mm, f/1.8, 1/3200 sec, ISO80)
発見と言えば、列車内の風景はタイのそれとは一変します。マレー系の濃い顔立ちの男性やヒジャブを被った女性が大半を占めるようになり、たった数十メートルの国境を越えて乗り換えただけとは思えない変化です。
こう言うのを子供達にも見せてあげたかったのです。
そうそう、国が替わったらeSIMもタイSIMからマレーシアSIMに切り替えておく必要があります。タイのをオフにしてマレーシアのをオンにします。
※海外旅行用eSIMの比較や使い方など詳しくはこちら↓
バタワース駅からフェリーでペナン島に上陸
そういうしているうちに(いや結構暇だった)ようやくバタワース駅に到着しました。やはりさすがマレーシア、近代的で綺麗な駅です。
SONY ILCE-7C (28mm, f/5.6, 1/250 sec, ISO100)
ヒジャブの列にここがイスラムの国であることを改めて実感します。
SONY ILCE-7C (28mm, f/2.8, 1/160 sec, ISO100)
バタワース駅からフェリー乗り場までは、連絡通路を10分ほど歩きます。「Terminal Feri(Ferry Terminal)」(いやほんと英語だけでいいし)の表記を追いかけていきます。
SONY ILCE-7C (60mm, f/4, 1/320 sec, ISO640)
やって来ました。ペナン島行きフェリー乗り場です。対岸に見えるのがペナン島。左の方にマレー半島とを繋ぐ橋も見えます。
SONY ILCE-7C (28mm, f/5.6, 1/4000 sec, ISO640)
こちら(左正面)がチケット売り場。右が待合室。旧正月シーズンだからか、チケットを買うまでに結構な行列が出来ていました。
Apple iPhone 15 Pro (2.22mm, f/2.2, 1/110 sec, ISO125)
フェリーの運賃は2リンギット(約60円)。なお、ペナン島からバタワースへの帰りは無料です。
SONY ILCE-7C (30mm, f/5.6, 1/15 sec, ISO640)
客室内はこんな感じ。乗船時間は15分程度です。
SONY ILCE-7C (28mm, f/5.6, 1/500 sec, ISO640)
こちらはバイクなどを置けるスペース。やはりマレー系の人が多いのでタイとは景色が全く異なります。
SONY ILCE-7C (40mm, f/8, 1/320 sec, ISO640)
ペナン島に到着しました。バイクも人もこうして島に上陸します。
SONY ILCE-7C (80mm, f/4.5, 1/640 sec, ISO640)
正直なところ駅からすぐにGrabを呼んだ方が多少早くて楽なのかも知れませんが、せっかくの島なのでフェリーの方が旅情緒が味わえるんじゃあないでしょうか。
さて、この後昼食からのペナン島内観光編に続きます。
(2024年2月11日の記録)
つづき↓
コメント